左上右下
- 2008.07.31 Thursday
- 16:56
二人ならんで座る場合、座っている人から見て左側が上座になります。なぜかというと、心臓が左にあるからで、左手で心臓を守り右手が働き手とするので左が上座と定められたといいます。
礼法では左上右下といって、大臣でも左大臣のほうが右大臣より上座となります。左が尊いというのは心臓が尊いからです。
舞楽でも正式な演奏形態で行う場合には、左方舞と右方舞があって左方舞を先に舞うことになっています。そしてすべての演奏の最後に長慶子という楽曲を奏しますが、この曲は左右の管方により鞨鼓・三の鼓の打ち物や吹き物の全員で演奏し左右の音頭が合わせて止めますので、左右相和すということを楽曲を通して示しているとも考えられます。
左右の手が二つで一つをなす如く、何れが優劣上下ではなく、どちらもなくてはならぬもの、男女に尊卑はないけれど役割がそれぞれにあるように、ものごとには長幼の序や目上目下、教え教わる礼儀があるのは至極当然のことです。
進むには片方の足からで、そのとき一瞬でも進む足は浮いていて、そのとき片方の足が支えている。何ものでも共生することが肝要ということですね。