三平汁〜けに汁

  • 2008.12.27 Saturday
  • 19:15
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漁師さんからスケソ−鱈をいただきましたので、三平汁をして食べました。
温暖化の影響か魚の絶対数の減少か、近年不漁の内浦湾漁業。刺し網や底網の漁業者の嘆きが聞こえてきます。

その三平汁をいただくときに使うのが三平皿(写真)で、味噌仕立てや塩仕立てでジャガイモや長ネギなどの野菜をいれて食べます。
昔、冬の寒い夜などに炉火を囲み、三平汁をすする楽しさは、他にこれといった楽しみのない漁民たちの唯一の喜びであったと聞きます。

我が家では、三平汁を食べるときは今でも縁起の絵を描いた此の皿を使います。
写真の三平皿は京の文化を北前船が運んだものだろうか!
そんなことを思いながらいただく三平汁と、食後のクリスマスケ−キのミスマッチが和洋折衷で乙ではありませんか。




笙を吹くKさんと談笑していたら、お母さんが青森の木造りから嫁がれたとのこと、わたしの母も木造り近郊の出身ですから同郷。それだけで何か親近を感じるものです。

昔日、今は函館市となった旧南茅部町一帯を松前と総称されたことがあり、漁労従事の雇い人集めに津軽に出かけると、“おれの娘を松前に連れて行ってくれないか”と頼まれ縁談が成立といった時代があったようです。
その縁で次々と津軽から嫁に誘う人もあって、南茅部の多くは津軽との結びつきを持った人で占められることになった、と聞きます。

その方達が故郷を想って食べる料理に“けに汁”があります。越冬野菜に豆を混ぜて炊き込む、といったもの。他に人参のすり和えやニシン漬、じゃっぱ汁など。

浜の女たちは働き詰めで、手にあかぎれやひび切れをおこし、痛々しい手に軟膏を焼火箸で伸ばして塗りつける。それをしながらも切れるような冷たい水で、わら束を用い大根を洗ったり、波板で洗濯し清水で濯いだんだよ、と母に聞かされ、ただただ隔世を感じています。

今日、切れるような水で洗い物をしているわけではないのに、誰に似たのか次女が指先にひび切れをおこします・・。
例年冬が近づくと指先にひび切れをおこし、蕗のとうが芽吹く頃に自然に治る、それをくり返す私ではあります。


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