プロの仕事とは
- 2013.08.31 Saturday
- 16:42
現在、全国でも数人しかいない笙職人。
笙職人にとっての切実とは竹を在庫しておくこと。
竹管は、琵琶湖周辺の真竹が最適とされる。しかし、近年は護岸工事の影響か10年前頃から適したものが採れないという。
採取のもう一つの手立ては、茅葺き住宅が解体されるときに入手する方法。囲炉裏の煙に燻された竹を煤竹といって貴重なものとされる。
笙作りの工程は大きく分けて、頭作り、彫金、竹組み、リ−ド作りで、それぞれに細かい工程がある。現在、桐材で作る頭以外の全行程を自ら行う職人がほとんどだという。
笙は楽器であると共に美術品の側面もあり、だからこそ難しいのが竹選び。
同じような太さで節の間隔が同じものが理想だが、なかなかそうはいかない。微妙に違うものを上手く合わせていくのが難しい。
竹選びとともに大変なのがリ−ド作り。
リ−ドの大きさは厚みが1ミリもなく、幅約5ミリ、長さ1センチ〜2センチで、長さと中央の彫り具合で音高を調整する。微妙な一彫りが音高を左右する。
彫りすぎると作り直しとなる。
だから「気が乗らなかったりイライラしていると失敗することが多いので、そういう時は作業をしない方が良いですね」などと邦楽ジャ−ナルの取材に応える笙職人。
(上下とも私所有の笙)